弁護士　松浦 絢子

前回 は、成年後見制度の概要を解説しました。成年後見制度は、高齢化社会においては必須の制度です。しかし、残念なことに、成年後見人が立場を悪用して本人の財産を私的に利用するなどといった不祥事も発生しています。このような不祥事を見聞きした親族が、成年後見に対してネガティブな印象を抱くこともあります。

成年後見人は本人の財産をすべて管理する立場であるため、その財産を私的に流用しようと思えばできてしまいます。そこで、成年後見人を監督する家庭裁判所は、成年後見人による不正を抑止するための制度を活用しています。

今回は、成年後見人の不祥事やこれを抑止するための制度等を取り上げます。

Q1　成年後見人による不祥事事...