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附帯税に係る実務 第18回 重加算税―納税者の行為(相続税ほか)―

 税理士 佐藤 善恵

( 76頁)

重加算税の賦課要件を定める国税通則法は、「納税者」を主語とした上で、その納税者の隠蔽仮装行為を要件としています。

この「納税者」の解釈・範囲については、ここまで法人税や所得税のケースを取り上げてきました。今回は主に相続税を中心に「納税者」の範囲や関連する論点を整理します。

Q1

被相続人が隠していた財産が相続税の申告書から漏れていた場合は、重加算税の対象になりますか。

 A1    相続人がそれを相続財産であると認識していたといえる場合には、重加算税の対象となると考えられます。

 解説 

次の【事例1】のように、被相続人が架空人名義で購入していた割引債を相続財産に含めなかったケースでは、相続人らは架空人名義の財産を...