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税金裁判の動向【今月のポイント】第270回 誓約書による分割納付期間内になされた公売公告処分の不当性

香川大学法学部 教授 青木 丈

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国税不服審判所は、国税に関する法律に基づく処分について、当該処分が適法の場合であっても、それが不当であることを理由として裁決で取り消すことができます。もっとも従来は、そのような判断をした裁決例はほとんどありませんでした。今回は、国税の徴収処分に関して、初めてそのような判断(具体的には、公売公告処分にかかる裁量権の行使が差押財産の換価に関する制度の趣旨・目的に照らして合理性を欠く不当な処分であるとの判断)をした公表裁決事例をご紹介しましょう。

事案の概要

運送業を営むX社(審査請求人)は、平成9年から平成21年までの間において国税について繰り返し滞納を発生させ、平成20年に本件土地(事業用車両の駐車...