税理士　坂井 一雄

今回は、事業所得であるか否かの判定について、所得税基本通達を中心に確認します。

Q1　事業所得と雑所得の違い

事業所得と雑所得とは、どのような違いによって区別されるのでしょうか。

　A1　

雑所得とは「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいう」と定められています（ 所法35 ①）。

例えば、相手に物を引き渡し、あるいは役務を提供して対価を得た場合の所得区分について検討すると、給与所得や譲渡所得に当たらないとすれば事業所得か雑所得になります。

上記条文のとおり、雑所得は事業所得に当たらないものをいいますので、事業所得とはどのようなも...