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税金裁判の動向【今月のポイント】第276回 贈与税における内縁関係に基づく婚姻費用分担義務の有無

香川大学法学部 教授 青木 丈

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相続税法上の「配偶者」( 相法1の2 一)は、民法739条からの借用概念により、婚姻の届出(いわゆる法律婚)をした当事者の一方であると解されています。一方で、民法760条の婚姻費用分担義務においては、いわゆる事実婚も法律婚と同様に準用されると解されています。当事者間の資金移動がこの義務の履行であると認められれば、それは贈与ではないので贈与税は課されないことになります。それでは、これが事実婚の当事者間であった場合にも認められるのでしょうか。今回は、この点について、高裁で逆転納税者勝訴となった事案をご紹介しましょう。

事案の概要

X(原告、控訴人)とAは、内縁関係にありました。具体的には、XとAは、Aが刑...