※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

事実認定を読み解くポイント 第1回 名義と帰属

 税理士 佐藤善恵

( 72頁)

はじめに

税務に関する裁決や判決を読むとき、私たちはつい結論や法令解釈に目を奪われがちです。

しかし、同じ条文が適用される事案であっても、認定される事実が異なれば結論が変わることは少なくありません。

例えば、ある金銭の移動が「貸付金」なのか「贈与」なのかといった判断は、法令の解釈だけで決まるものではありません。

当事者の行動や資金の流れ、契約の内容などの事実がどのように認定され、その事実がどのように評価されるかが重要になります。

そのため、裁決や判決を実務の参考にする際には、結論や法令解釈だけでなく、「どの事実が重視されたのか」「その事実から何が推認されたのか」という視点で読むことが欠かせません。

裁決や...