シリーズ「学生と語る会計基準」 西川教授のポイントレッスン! 第10回 リース
慶應義塾大学商学部 教授 西川郁生
木村太一君 減価償却,減損,のれん,無形資産と固定資産の関係が続きました。
教授 今回は固定資産の締めとしてリースについて語りましょう。
木村君 リースは借手のオンバランスが争点ですね。
教授 1993年に初めてリース会計基準が企業会計審議会から公表されたときから,ファイナンス・リースはオンバランスが原則でしたが,オフバランスの例外処理を認めていて実務では例外処理ばかり行われていました。リースを利用する最大のメリットがオフバラだったのです。14年後の2007年にASBJで基準改訂を行い,原則処理に一本化となったのですね。そこで国際的な基準とのコンバージェンスは成立しましたが,一方で,米国FASBとIASBによるリースのコンバージェンス・プロジェクトが動き出していました。こちらも大変時間がかかって,本(2016)年それぞれの会計基準が公表されました。日本基準との差異が再度生じたという状況です。ここでは新しいIFRS第16号を中心に,リース会計について考えましょう。
プロジェクトの目的
教授 今回完了したプロジェクトの目的から考えましょう。
木村君これまでのリース会計では,オンバラ逃れが横行していたので,それを...
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