【INTERVIEW】ロックフェラーグループ「米国子会社における新型コロナ対応」

─2020年の振り返りと未来の展望─
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ロックフェラーグループ シニアディレクター 小澤純一
<編集部より>
新型コロナウイルス感染症が猛威を奮った2020年,米国では都市封鎖(ロックダウン)やBlack Lives Matter運動,大統領選挙など,さまざまな出来事があった。本誌は三菱地所の米国子会社であるロックフェラーグループほか2社に籍を置いてコロナ禍のニューヨーク(NY)を過ごした小澤純一氏にインタビューを実施。当時の米国の状況を振り返ってもらうとともに,決算・監査実務の対応や,コロナ収束後の未来の展望をきいた(インタビューは3月下旬にオンラインで行った)。

1.はじめに

─本日はよろしくお願いします。はじめに,現在の職務内容を教えてください。

【写真1】小澤純一氏(米国よりオンラインにて)

小澤純一氏(以下,「小澤」)  少しご説明が難しいのですが,全て三菱地所の米国子会社で,役割が異なる3つの会社に同時に所属しています。1つ目が,メインの会社と言えるロックフェラーグループ(Rockefeller Group International, Inc:RGII)です。マンハッタンで保有しているオフィスビルの賃貸事業と,全米で住宅や商業不動産の開発事業を展開しています。ここでは株主関連業務として,例えば取締役会の運営,幹部の報酬の決定,ビジネスプランの策定などを担当しています。2つ目が三菱地所ニューヨーク(Mitsubishi Estate New York)です。ここでは不動産ファンドへの投資の実務を担当しています。3つ目は,グループ内再編によって2020年の頭に設立したメックグローバルパートナーズホールディングス(MEC Global Partners Holdings)です。セグメントでいうと投資マネジメント業務を扱うグループを束ねたホールディングカンパニーなのですが,ここではアドミニストレーション(管理部門におけるサポート)業務全般を行っています。3社全てで,資金調達を含めた財務周り,会計・税務トピックへの対応も担当しています。

2.2020年の米国の状況

─新型コロナウイルス(Covid-19)が猛威を奮い始めた2020年1月当時から現在の米国の状況について,印象的だった出来事を教えてください。

【写真2】コンフォート停泊の様子(提供:小澤氏)

小澤 特にロックダウンが始まった3月末から4月頭は,夜は救急車がひっ...