バーチャル株主総会(2) <INTERVIEW>ハイブリッド型バーチャル株主総会の状況について
――ハイブリッド型バーチャル株主総会の導入状況について感想をお聞かせください。
東京証券取引所の「2021年3月期決算会社の定時株主総会の動向について」によると実施見込みの会社の割合が昨年の5.2%から今年の14.0%と増えているとのことであり,ハイブリッド型バーチャル株主総会を導入する会社は増加傾向にあると思います。経済産業省では,昨年2月に「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」を公表しましたが,前回の株主総会では,検討・準備時間が足りず開催を見送った会社もあったようです。そのような会社が今年は準備を整えることができ,開催する方向に進んでいるではないでしょうか。また,ハイブリッド型バーチャル株主総会を支援するサービスの提供会社が増えてきたこともきっかけの一つだと思います。
――ハイブリッド型バーチャル株主総会の開催で懸念事項にはどのようなものがありますか。
ハイブリッド型バーチャル株主総会の開催にあたり,通信環境の整備などが必要になります。特に,ハイブリッド出席型バーチャル株主総会を開催する際には,当日の議決権行使や質問・動議の取扱いなども課題となります。会社の方々からの問合せとしては,通信障害が発生した場合の決議取消しリスクへの対応や,質問・動議の取り上げ方などが見られます。このような疑問や課題を解決するために,経済産業省では,本年2月に「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド(別冊)実施事例集」を公表しました。これは,昨年公表した実施ガイドに沿う形で2020年に開催されたハイブリッド型バーチャル株主総会の具体的な実施事例や考え方などを盛り込んでおり,より実務に即したものとして参考になるものです。例えば,通信障害対策については,バックアップ手段を確保しておくことや,事前の通信テストの実施といった事例を示しています。
――ハイブリッド型バーチャル株主総会のメリットにはどのようなものがありますか。
ハイブリッド型バーチャル株主総会により,海外を含め遠隔地にいる方,時間の都合で参加できなかった方など,より多くの株主の出席・参加機会を拡大することができるようになります。
また,例えば,インターネット等により質問を事前に受け付けることで,株主の関心の高い事項を知ることができ,株主総会の場でより充実した回答や力強い...
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