CPAAOB 監査人の異動が200件超に,監査対応・費用の相当性などの理由

2021年版「モニタリングレポート」公表
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公認会計士・監査審査会(CPAAOB,櫻井久勝会長)は7月9日,2021年版の「モニタリングレポート」を公表した。会計監査人の異動は合併を除くと207件にのぼり,過去5年間で最多となった。監査対応・費用の相当性を理由に異動する事例が増加した。また,各監査事務所の業務運営の状況はいずれも「妥当でない点がある」以下となっていた。

総合評価で「概ね妥当」はゼロ

「モニタリングレポート」には,CPAAOBが実施する監査事務所へのモニタリング活動の状況が紹介され,検査結果の総合評価や会計監査人の異動分析などを掲載している。

まず,2019年度末時点における246監査法人について,監査業務収入の約81%が大手監査法人(あずさ,トーマツ,EY新日本,PwCあらた)に集中している。ただ前年(約84%)よりは減っており,監査証明業務数とともに減少傾向にある。業務収入に占める監査証明業務収入の割合は,大手は約75%,準大手(仰星,三優,太陽,東陽,PwC京都)と中小は約90%だった。

また,検査結果を踏まえ,監査事務所の業務運営の状況を5段階に区分すると,総合評価の状況は図表1の通りだった。

【図表1】 総合評価の...