税務研究会 出版局 情報室『「固定資産の税務・会計」完全解説』

( 46頁)

今回の税務研究会出版局のオススメ書籍は、『「固定資産の税務・会計」完全解説』です。著者の太田達也先生に、本書についてお話をうかがいました。

「固定資産の税務・会計」完全解説 (第7版)
太田 達也 著
A5判 648頁 3,850円(税込)

  『「固定資産の税務・会計」完全解説』はどんな方に読んでいただきたいですか?

 固定資産の実務は、ほとんどの企業に関係します。固定資産の取得から始まり、減価償却、資本的支出と修繕費の区分、除却など、カバーすべき範囲が広く、また、特別償却・圧縮記帳、減損会計など、専門性の高い項目も含まれています。会計と税務との関係も考慮する必要もあります。本書は、それらの実務について、できる限り網羅的にわかりやすく記述していますので、経理部や税務のご担当者、税理士・公認会計士などの実務の最前線で業務を行っている方々にご活用いただきたいと思います。

  今回の改訂ではどのあたりが大きく変わっていますか?

 今回は大幅な増補改訂になっています。
第1に、近年、台風・地震・水害等の自然災害が多く発生しており、災害に対する実務対応が求められる場面が多くなっていることから、第7章に、「災害があったときの処理」を新設しました。申告・納付期限の延長、災害により滅失・損壊した固定資産の取扱い、復旧のために支出する費用の取扱い、災害損失特別勘定の処理、災害損失欠損金の繰戻し還付の取扱いなど、災害に関連した実務処理を総合的に、詳しく解説しています。
第2に、特別償却や圧縮記帳の会計処理と税務との関係が複雑で、わかりにくいという声をよく聞きますので、新たな設例を設け、第2章と第5章の中に織り込みました。
第3に、「第6章 設備投資減税の実務と活用」について、税制改正を踏まえて大幅な改訂を行いました。また、全体を通じて、読者の理解に役立ってほしいという願いから、内容をわかりやすくするための図表や設例の追加を随所に行っています。

  平成19 年に初版が発行されてから12年、今回で第7版と版を重ねていますが、支持を受け続けている理由は?

 設例や計算例をできる限り盛り込むことで、理解がしやすいように心がけたことがご支持をいただいている最大の理由かと思います。また、版を重ねることで、税制改正への対応も含めたリニューアルを随時行っていますし、セミナーでいただいたご質問の内容なども盛り込んでいますので、実務に役立つ有用性を評価していただいているものと思います。

EY新日本有限責任監査法人
公認会計士・税理士 太田 達也

慶応義塾大学経済学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)を経て、太田昭和監査法人(現EY新日本有限責任監査法人)入所。平成4年公認会計士登録。
現在、EY新日本有限責任監査法人において、会計・税務・法律など幅広い分野の助言・指導を行っている。
著書に、『決算・税務申告対策の手引』『「自己株式の実務」完全解説』『「収益認識会計基準と税務」完全解説』『「解散・清算の実務」完全解説』(以上、税務研究会出版局)などがある。