[連載対談]キーパーソンに訊く重要テーマ 第7回(前編)「サステナビリティ情報の保証の現場から~非監査法人編」

ビューローベリタスジャパン株式会社 執行役員 岡﨑 久喜
株式会社サステナビリティ会計事務所 代表取締役 福島 隆史
【司会・進行】青山学院大学大学院 会計プロフェッション研究科 教授 町田 祥弘

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Ⅰ.ここが訊きたい

2023年3月期決算に係る有価証券報告書から、「サステナビリティに関する考え方及び取組」の記載欄が新設され、法定開示書類においてサステナビリティ情報の開示が要請されることとなった。

国際的にも、2023年6月26日に国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)より、IFRSサステナビリティ開示基準のS1及びS2が公表され、今後、わが国のサステナビリティ基準審議会の議論を経て、国内での適用も検討されていくことが想定される。

開示基準の一方で、保証の問題もある。一般に公表される情報には、適格な保証業務者による保証の付与が必須だからである。国際監査・保証基準審議会(IAASB)からは、2023年8月2日に国際サステナビリティ保証基準5000(ISSA5000)の公開草案が公表されている。

こうした制度の動向に先立って、すでに多くの企業では、統合報告書等において任意にサステナビリティ情報を開示し、任意の保証報告書が付与されてきている。

ここで制度開示との大きな相違は、任意のサステナビリティ情報の開示に対する保証業務は、現在、監査法人だけではなく、ISO等の認証に関する専門性を有する保証...