<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第132回 リース(11)
国際会計基準審議会(IASB)前理事 鶯地 隆継
デフォルト
デフォルト(default)という言葉は一般的な言葉として、特に若い年代では日常生活用語として使用されるようになっている。例えば、「俺たちの飲み会のデフォルトは、あの居酒屋でいい?」とか、「俺、日曜は、デフォルト、家にいる」といった具合である。つまり、飲み会の場所について何もいいアイデアがない時はあの居酒屋を利用することにしよう、とか、日曜日は何もなければ大抵家にいますという意味である。さらに最近では、デフォルトとまで言い切らずに、「デフォで」と省略して使われているようだ。例えば、「あいつデフォで遅刻してくるから気をつけろ」といった具合である。
元々、英語のdefaultという言葉にはそんな意味はなかった。デフォルトが上述のような意味で使用されるようになったのは、コンピュータの「初期設定」という状態に対してdefaultという言葉が当てられるようになったからである。本来のdefaultの意味は「不履行」である。債務不履行や、違約や滞納といった状況を示す言葉である。これが、コンピュータ用語でどうして「初期設定」という状態を示すことになったのかというと、本来コンピュータのユーザーが...
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