ちょっと役立つワインの小話 第19回 シャルドネワインがグローバル化した歴史的対決のお話

日本ソムリエ協会 ワインエキスパート/ワイン検定講師 佐久間 裕輝(米国CPA)

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今回は,今や様々な国で生産され,白ワインのグローバル品種として君臨する「シャルドネ」が,その品種のもつ個性に由来する可能性を見せつけ,グローバル化のきっかけとなった"歴史的な対決"のお話をします。

それは1976年にフランス・パリで開催された「ブラインド・ティスティング」対決です(ブラインド・ティスティングとは銘柄を示さずワインを味わい評価することをいいます)。

この対決は当時,フランスでワインの販売とワイン学校(アカデミー・デュ・ヴァン)を営んでいたある人物が企画したもので,アメリカにも素晴らしいワインがあることを世に知らしめることが目的でした。

当時のワイン事情は言うまでも無く,圧倒的にフランスを中心とした欧州産ワインが評価されており,カリフォルニア産のワインなどは全く知られておらず,パリの某有名食料品店でも,たった2種類のワインしか扱われていなかったとのことです。

そうした中でこの「対決」は,フランス産ワインとカリフォルニア産ワインを,審査員がブラインドで順番に味わい,それぞれに点数で評価し順位を付けていくもので,白ワインの部の品種は「シャルドネ」,赤ワインの部は「カベルネソーヴィニヨン...