世界のIFRS適用事例 Case2 無形資産の「耐用年数が確定できない」要因
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無形資産の耐用年数が「確定できない(indefinite)」と判定されるのは,当該無形資産が企業への正味のキャッシュ・インフローをもたらすと期待される期間について,「予見可能な限度がない場合」です。
では,具体的にどのような場合に,「企業への正味のキャッシュ・インフローをもたらすと期待される期間について,予見可能な限度がない」と言えるのでしょうか。
IFRSを適用する企業で,耐用年数を確定できない無形資産を計上し,かつ,耐用年数を確定できないと判断した際に重要な役割を果たした要因を記述している企業を100社選び,それらの主な要因を集計したところ,次のようになりました(1社について,複数の要因が挙げられているケースが相当数あるため,単純合計すると100社を超過しています)。
下の表に示した要因のほかには,「グループ内で戦略的な位置付けとなっている」(エレクトロラックス,アクゾ・ノーベル他),「長期間にわたって収益性があると予想される」(カールスバーグ,WPP他),「広告宣伝や研究開発等の支出により支えられている」(ヘンケル,グラクソ・スミスクライン他)といった要因が列挙されていました。
IFRS...
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