バーチャル株主総会(4) <INTERVIEW>先行企業の取組み,カギは質疑応答の取扱い

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富士ソフト株式会社 資材部部長 赤松 理
富士ソフト株式会社 総務部部長 中根 周平

――昨年の株主総会でバーチャル株主総会(ハイブリッド出席型)を導入されました。今年は2年目でしたが昨年からの変更点などがあれば教えてください。

初めての試みであった昨年(2020年3月13日開催)は,ハイブリッド出席型の実施を決断したのが総会開催の2週間前でした。コロナ禍においても株主様とのコミュニケーションの場を守りたい,その機会を増やしたいという社長の思いで決まったことです。インターネットによる出席という手段を選んだ最大の理由は当社のIT企業としての矜持です。「当社が先陣を切りたい」との強い思いがありました。2年目の今年もその姿勢や考え方に変わりはありません。

――バーチャル株主総会の運営の仕組みやシステム面についてはいかがでしたか。

システムは大きく変えました。昨年はインターネット出席となる株主様に,PCと電話,それからiPadの3点を用意していただきましたが,今年はブラウザにアクセスできる環境さえあれば,昨年のPCとiPadで行った機能の両方を利用できるようにWebアプリケーションとして作り直しました。また,昨年同様,インターネット出席の方の質疑応答は電話で行った一方,質疑とまではいかないやや軽めのご意見などはテキスト入力により送信していただけるようにしました。

会場運営に関して,株主様に対する当社の姿勢・スタンスは変わっていないので,来場を希望される方への制限などは一切設けていません。ただし,総会開催におけるより一層の安全性確保のために,来場される方とインターネット出席の方の双方に事前に出欠確認を取りました。これは実際の会場レイアウトの決定や飛沫防止パネルの設置などの感染防止策を強化するうえで必要な対策でした。

――インターネット出席者との質疑応答は電話でなければ難しいのでしょうか。

株主様とのコミュニケーションの捉え方によると思います。電話対応だとコールセンターを設置しなければならないので手間がかかります。おそらく電話対応をしているのは当社だけだと思いますが,当社はインターネット出席の株主様に対してもできるだけ会場と同じ環境を用意して,直接,株主様とコミュニケーションを取りたいと思っています。この点は,インターネット出席の株主様とのコミュニケーションをどう考えるかによるので,質問等を事...