DWG報告のポイント⑦ 有価証券報告書の英文開示

義務化見送りも、サステナ情報など特定項目の英文開示を促す
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第7回のテーマは有価証券報告書の英文開示。義務化は見送られたものの、まずは【事業等のリスク】など利用ニーズの特に高い項目や、新たに記載欄が設けられるサステナビリティ情報について、英文開示を行うよう促している。金融庁は今後、「金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム」(EDINET)の閲覧者が外部の翻訳サービス等を利用しやすい環境を第5世代EDINETから提供する見込みだ。

(1)背景

現状、決算短信等の英文開示は一定程度進展している。一方で、海外投資家の要望が強い有報の英文開示は進んでいない。

この点、ディスクロージャーワーキング・グループ(DWG)の議論において、有報の英文化は日本の資本市場の国際化の観点から必要、国際的な投資家を対象とするプライム市場上場企業に対しては有報の英文開示を義務付けるべきといった意見が出されていた。

(2)DWG報告の提言

①利用ニーズの特に高い項目の英文開示

有報全体の英文開示には相当の作業を要するとの指摘があり、英文開示を義務化すべきといった文言はDWG報告に盛り込まれなかった。

ただし、【株式の保有状況】など利用ニーズの特に高い項目...