「リースに関する会計基準(案)」の詳細解説(下)

 公認会計士・税理士 太田達也

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Ⅳ 貸手の会計処理

1.貸手の会計処理の基本

貸手の会計処理については、「 収益認識に関する会計基準 」との整合性を図る点、リースの定義およびリースの識別を除き、現行の企業会計基準第13号の定めが踏襲されている。このうちの「収益認識に関する会計基準」との整合性を図る点は、「収益認識に関する会計基準」において割賦基準が認められなくなったこととの整合性から、企業会計基準適用指針第16号に定められている「リース料受取時に売上高と売上原価を計上する方法」の廃止である。

したがって、貸手においては、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区別、所有権移転外ファイナンス・リースと所有権移転ファイナンス・リースの区別は残されている。また、ファイナンス・リースに該当するかどうかの判定に用いる「現在価値基準」と「経済的耐用年数基準」もそのまま存置することが提案されている(適用指針案58項)。ファイナンス・リースのうちの所有権移転ファイナンス・リースについても、現行と同様に、所有権移転条項付リース、行使が合理的に確実な購入選択権付リースおよび特別仕様のリースとされている(適用指針案66項)。

なお、リースの識...