守秘義務等による「匿名・非公表」を開示する動き

有価証券報告書の訂正 25社が非開示から開示に
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有価証券報告書における匿名開示等を改善する動きがみられる。本誌が本年4月1日から10月15日までに提出された訂正報告書を調査したところ、25社(44件)が守秘義務等を理由に匿名や非公表としていた項目を訂正し、具体的に記載していた。訂正箇所は、「企業結合等関係」(21件)、「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(MD&A)」(8件)、「セグメント情報等」(7件)など多岐にわたる。匿名や非公表といった記載は従来の実務ではみられていたが、規制当局も自主的な改善を促しており、対応を見直す必要がありそうだ。

匿名開示は有報レビューの留意事項に

金融庁は例年、財務局等と連携して有価証券報告書レビューを実施している。上場会社等から提出された有報の記載内容の適正性を確保することを目的とする。本年3月末には、有報レビューの審査結果とともに、結果を踏まえた留意事項を示していた。セグメント情報に関しては、以下のように「主要な顧客に関する匿名開示」について注意喚起をしていた。

《主要な顧客に関する匿名開示》・単一の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の10%以上である場合には当該顧...