新リース会計基準 実務対応における重要論点の整理

三井住友ファイナンス&リース株式会社 経理部 松澤 宏樹

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2024年9月13日、企業会計基準委員会(ASBJ)より、企業会計基準第34号「 リースに関する会計基準 」及び企業会計基準適用指針第33号「 リースに関する会計基準の適用指針 」(以下、前者を「会計基準」、後者を「適用指針」、両者を合わせて「新基準」という)が公表されました。

昨年5月に公表された公開草案に対して多くのコメントが寄せられ、同年9月から再審議を開始、約1年をかけて最終基準化となりました。

適用時期は2027年4月以後に開始する事業年度であり、3月末決算の会社であれば、準備期間は2年半となります。

新基準には、リースの識別や期間の見積り、契約変更への対応など、これまでの日本のリース会計基準にはなかった新しい概念が含まれています。新基準の対応を検討する際には、これらの論点を正しく把握し、自社における対応の要否や程度を見きわめることが必要と考えます。

本稿は、新基準の全体的な内容については触れず、新基準への対応の上で、特に重要と思われるこれらの新たな論点等について、実務の観点から整理して説明するものです。なお冒頭では、公開草案からの変更点や新基準を適用すべき会社範囲についても触れますので参考...