不動産に係る新リース基準の実務ポイント 第2回 貸手(基礎編)及びグループ間取引の実務論点

EY新日本有限責任監査法人 公認会計士 浦田 千賀子

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Ⅰ.はじめに

第2回、第3回は不動産リースにおける貸手の実務論点についての記事となります。第2回は貸手の実務論点のうち基礎的な論点、第3回は貸手の実務論点のうち応用的な論点の解説となっています。

一般事業会社でも、製造業等で親会社が保有する遊休化した土地を子会社へ貸すことで土地の運用を図ったり、親会社が保有する倉庫の一部区域を子会社へ賃借する、あるいは子会社に不動産管理会社を持っている場合などがあります。このように、親子会社間での不動産リース取引は様々な形で存在しうることから、一般事業会社でも不動産リース取引について貸手の会計処理を検討する必要がある可能性があるため、ご留意ください。

なお、第1回と同様、本解説は、企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」(以下、「リース会計基準」という。)、企業会計基準適用指針第33号「リースに関する会計基準の適用指針」(以下、「リース適用指針」という。)並びに、関連する企業会計基準、企業会計基準適用指針及び実務対応報告の改正を前提に記載しています(これらすべてをあわせて、以下、「リース会計基準等」という。)。文中の意見にわたる部分は筆者の私見であるこ...