リース取引の会計実務,税務実務とIFRS導入の影響 第14回(最終回) IFRS 第16号の主要論点 下編その2
有限責任監査法人トーマツ 井上雅彦
本連載では,わが国の現行会計実務及び税務実務を振り返りながら,そのポイントや特徴を確認し,また,IFRS 第16号「リース」で明らかになった方向性を踏まえ,日本の現行実務に及ぼす影響を検討してきた。
最終回の第14回は,IFRS 第16号「リース」の主要論点のうち「重要性への言及」,「セール・アンド・リースバックの会計処理」,「転リースの会計処理」,「表示と開示」,「発効日と経過措置」(第4回下編その2)を取り扱う。文中意見にわたる部分は個人の意見で,所属する法人の見解とは関係がない。
重要性への言及
財務諸表の作成にあたり,一般的な考え方として「重要性」の判断がある。IFRSにおける重要性の考え方を示した箇所として次が挙げられる。ただし,日本基準のように具体的な適用例や数値基準はない。
【財務報告に関する概念フレームワークQC11】情報は,その脱漏又は誤表示により,特定の報告企業に関する財務情報に基づいて利用者が行う意思決定に影響する可能性がある場合には重要性がある。言い換えれば,重要性は目的適合性の企業固有の一側面であり,個々の企業の財務報告書の文脈においてその情報が関連する項目の性質若し...
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