Q&Aコーナー 気になる論点(198) 収益認識と買戻条件
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 企業会計基準委員会(ASBJ)が,2017年7月20日に公表した企業会計基準適用指針公開草案第61号「収益認識に関する会計基準の適用指針(案)」(以下「適用指針案」)69項では,販売した商品を,当初の販売価格以上の金額で買い戻す契約は,金融取引として処理することを提案していますが,現金売上ではなく掛売上の場合には,資金の貸借取引が生じていないため,金融取引にはならないのではないでしょうか。 |
A:
その場合には,適用指針案69項で参照している[設例32]の有償支給取引に準じることが考えられます。そこでは,支給元が部品の有償支給によって生じた支給先に対する法的な債権を認識し,加工後の製品に対する支払義務に含まれる部品相当額を負債として認識することを提案しています。ただし,それは,未履行契約の両建処理となり,通常とは異なります。
<解説>
履行義務の充足による収益の認識(1)‐考え方
2017年7月20日公表の企業会計基準公開草案第61号「収益認識に関する会計基準(案)」(以下「会計基準案」)では,開発にあたっての基本的な方針として,IFRS第15号と整合性を図る便益の1つである国内外の企業間にお...
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