KAM早期適用 開示事例の分析

本誌調査⑧ 6月期決算会社でも早期適用
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監査上の主要な検討事項(KAM)の早期適用に関する事例分析。第7回( No.3473・2頁 )では日立製作所の早期適用を取り上げた。その後,9月30日にファイバーゲート(情報・通信業,あずさ,日本基準)が提出した2020年6月期有報に添付された監査報告書にKAMが記載されており,KAMを早期適用した会社数は49社(非上場会社3社を含む)となった。情報・通信業でのKAM早期適用は,ソフトバンク(トーマツ,IFRS)に続き2社目。

KAMは収益認識に関するものなど

ファイバーゲートのKAMは,連結・個別ともに「レジデンスWi-Fi事業における初期導入サービスに係る売上高の期間帰属の適切性の検討」と「通信設備の実在性及び除却処理の網羅性の検討」の2件だった。

「レジデンスWi-Fi事業」では,「マンション・アパート等の賃貸物件オーナー向けに全戸一括で入居者が「インターネット無料使い放題」となるインターネット接続サービス」を提供しており(有報の「企業の概況」中,「事業の内容」より),顧客向けの電気通信工事とWi-Fiサービスの設定(初期導入サービス)を行っている。1件目のKAMは,このサービスの売上高が...