会計不祥事の後始末~PFIの実務~<後編>

 公認会計士 河江 健史
 公認会計士 土井 貴達
 公認会計士 石田 有司

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前回は、PFI(Post Fraud Improvement)の一連の流れと、正常化の観点について触れ、調査報告書との関連性を解説した。

今回は、上場会社における有事対応において、PFIの重要なマイルストーンとなる「取引所対応」の仕組みを解説し、内部管理体制に関係する内部統制の改善を説明する。

1.取引所対応

証券取引所のルールであるが、大きくは以下の4つがあり、上場会社のPFIではこれらを意識することとなる。

①改善報告書

②上場契約違約金

③特設注意市場銘柄

④公表措置

取引所が適時開示に係る規定等に違反したと認める場合には、上場契約違約金の支払いを求めることができる。

また、これらの対象となった会社については取引所の判断で公表措置が取られる。

会計不祥事が発生した会社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認めるときは、特設注意市場銘柄に指定される。この指定を受けると指定より1年経過後速やかに、内部管理体制の状況等について記載した「内部管理体制確認書」を提出することが義務付けられる。そして、取引所は当該確認書の内容に基づき審査を行い、内部管理体制等に問題があると認められない場合は、特設注意市場銘...