Q&Aコーナー 気になる論点(339) リース会計基準案(3)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 企業会計基準委員会(ASBJ)が、2023年5月2日に公表した企業会計基準公開草案第73号「リースに関する会計基準(案)」(リース会計基準案)及び企業会計基準適用指針公開草案第73号「リースに関する会計基準の適用指針(案)」(リース適用指針案)では、借手がリース負債の計上額の見直しを行うときには、キャッチアップ方式によることを提案しているのでしょうか。 |
A
リース会計基準案では、借手がリース負債の計上額の見直しを行う場合、リース負債の修正額に相当する金額を使用権資産に加減することを提案しています。これは、残高(ストック)に関する影響は一時に認識するものの、損益(フロー)に関する影響は将来に向けて認識するという、「広義のプロスペクティブ方式」です。
〈解説〉
借手の会計処理案(1)‐基本形
リース会計基準案において、借手は、原則としてすべてのリースについて、[図表1]のように使用権資産及びリース負債を計上し、会計処理することを提案しています ① 。
[図表1]リース会計基準案における借手の会計処理案
リース開始日において耐用年数又はリース期間にわたって使用権資産以下から構成される原価で計上する(31項...
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