Q&Aコーナー 気になる論点(372) IASBの適用後レビューのフィードバック(2)
早稲田大学 大学院会計研究科 教授 秋葉 賢一
Q 国際会計基準審議会(IASB)が、2024年7月4日に公表したIFRS第9号「金融商品」減損の適用後レビューについての「プロジェクト・サマリーとフィードバック・ステートメント」(フィードバック・ステートメント)では、コメントの多かった予想信用損失の測定について特に対応しないとしていますが、それはなぜなのでしょうか。 |
A
情報要請に対するコメントでは、ほぼ全ての関係者が、予想信用損失を測定するための原則に基づく要求事項は、実務上、意図した通りに機能しており、致命的な欠陥は確認されなかったとしていることによります。しかし、予想信用損失を測定する際の将来予測的な情報やモデル適用後の調整に関する事項など、IASBは、信用リスクに関する開示要求事項の的を絞った改善を検討することとしています。
〈解説〉
情報要請に対するフィードバック・ステートメント
IASBは、2023年5月に公表した情報要請「適用後レビュー:IFRS第9号「金融商品」減損」に対して、2024年7月にフィードバック・ステートメントを公表し、IFRS第9号における減損の要求事項は意図したとおりに機能しているとしています ① 。
情報要請に対す...
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