アップデート!非財務情報開示の今 第18回 非財務情報の開示を巡る国内外の動向(2024年7月~9月の動向)

有限責任 あずさ監査法人 会計・開示プラクティス部 曽根 由香里

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1.はじめに

本連載企画「非財務情報の開示を巡る国内外の動向」では、国内外の非財務情報に関する最新動向について四半期を目途にその動向について解説を行っている。本稿では、2024年7月から9月の動向について、以下に焦点を当てて解説する。

(国内の動向)

●サステナビリティ基準委員会(SSBJ)による審議の状況(第36回~第39回会議)

●TCFDコンソーシアムによる「移行計画ガイドブック」の公表

●金融庁による「サステナブルファイナンス有識者会議 第四次報告書」の公表

(国際的な動向)

●IFRS財団による「ISSB基準の任意適用―作成者のためのガイド」の公表

●国際会計基準審議会(IASB)による公開草案「財務諸表における気候関連及びその他の不確実性―設例案」の公表

●欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)による欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)に関するQ&Aの公表

なお、本文中の意見に関する部分は筆者の私見であることを予めお断りする。

2.SSBJによる審議の状況(第36回~第39回会議)

(1)審議状況の概要

2024年3月にSSBJが公表したサステナビリティ開示基準の公開草案に対するコメントレターの...