建物本体部分と外構部分の完成時期が異なる場合の建設仮勘定に係る課税仕入れの時期

※ 事例の内容は回答年月日時点の情報に基づくものです

[質問]

1. 概要

 現在、合同会社が学校法人に賃貸するため学校校舎を建設しています。学校建設費用は、建設仮勘定に計上しており建設費の中間金、共通経費が含まれております。

 1月決算法人の合同会社が1月末に外構工事除く校舎等を完成引渡し受ける予定です。(工事請負契約書には部分引渡しが明記されております。また建設会社から工事完了引渡証明書を発行していただく予定です。)また、共通経費部分は、外構工事が未完成のため完成する翌期に課税仕入れとする予定です。

 そこで消費税について建設仮勘定の仕入税額控除の時期について質問します。

2. 質問

 一部完成引渡しを受ける建設工事費は引渡しを受けた課税期間の課税仕入と認識し、共通経費はすべての工事が完成引渡しを受けた課税期間に課税仕入を認識することは問題ありますでしょうか。

 また、一部完成引渡しを受ける建設工事費は課税仕入と認識した場合、共通経費についても同時期に一部完成引渡し部分を概算で按分して認識する必要がありますでしょうか。

3. 当方の判断

 国税庁HPのNo.6483「建設仮勘定の仕入税額控除の時期」では原則として物の引渡しや役務の提供があった日の課税期間において課税仕入れに対する税額の控除を行うことになります。となっておりますが、「例外的に請負人が一の契約により同種の建設工事等を多量に請け負ったような場合で、その引渡量に従い工事代金が支払われるなど、目的物の全部の完成引渡し前に請負代金の一部に係る権利が確定する旨の特約又は慣習がある場合には、目的物の全部が完成しないときにおいても、当該部分に係る資産の譲渡等の時期が当該部分の引渡し等の日となると解される。」(国税不服審判所平成30年10月1日裁決)となっておりますので一部完成引渡しを受ける建設工事費は引渡しを受けた課税期間の課税仕入とすることは問題ないと考えております。

 また、共通経費については、すべての工事が完了した課税期間に課税仕入とすることは問題ないと考えております。

 

[専門家からの回答]  ※税理士懇話会が顧問契約している専門家の一覧はこちら

 消費税法基本通達に………
(回答全文の文字数:327文字)