裁判上の和解に基づき過年度分の賃貸料の収入があった場合の課税関係

※ 事例の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[質問]
 兄弟3名(A・B・C)の共有賃貸用不動産(持分各人3分の1)の管理を、共有者の一人であるBに任せ、他の共有者二人(A・C)は、長年にわたり、Bの計算に基づいて不動産収入(所得)を分配し、同人の分配額計算書に従って不動産所得の申告をしていました。
 しかし、分配額が余りにも少額であったため、A及びCが、Bの計算内容を再確認したところ、存在する証拠資料から確認できた平成20年から同29年の間において、Bの不動産収入(所得)の計算に架空の修繕費等が計上されている等の不正計算があったことが判明し、三者の話合いが持たれましたが、折り合いが付かず、結局、裁判上の争いになりました。
 最終的に、裁判上の和解となり、当該不動産の管理を担当していたBが、他の二人(A・C)に対し各6,500万円を支払うことになりましたが、Bに金銭で支払う余力がないところから、Bの当該不動産に係る持分を以て支払うことになり、当該持分の時価相当額と賃料相当額(受領額)とを合致させるため、A及びCからBに対し各3,500万円を支払うことで解決しました。
 結果、現在の当該不動産の所有持分はA及びCが、それぞれ2分の1ずつということになっています。
(質問)
 Aは、和解金6,500万円をどのように申告すべきでしょうか。
〔私の見解〕
 既往年分の確定申告上、修繕費が過大に計上されていたことになるので、5年前までに遡り平成28年分、同29年分の不動産所得の修正申告を行います。それ以前の年分については時効が成立しており申告しなくてもよいと考えています。
 所得税基本通達36-5の賃貸借契約の存否の係争でもないため、和解金を令和3年分確定申告で不動産所得に含める必要はないと考えています。
 それとも、過年分経費に関する補填として不動産所得の収入金額に計上すべきでしょうか。また、臨時所得として平均課税の対象になるのでしょうか。

[専門家からの回答]  ※税理士懇話会が顧問契約している専門家の一覧はこちら

 ご照会の事例は、長………
(回答全文の文字数:1154文字)