上場株式の評価損について

※ 事例の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[質問]
 甲社は3月決算法人です(監査法人による監査は受けない中小企業)。
 甲社が所有する上場株式のうち、2019年3月末の株価が帳簿価額の50%相当額を下回ると思われる株式があり、上場有価証券の評価損の計上を検討しています。
 評価損を計上する要件の一つである「近い将来その価額の回復が見込まれないこと」の意味と、具体的な判断方法について教えて下さい。


①「近い将来」とは
 近い将来とは、どの位の間の将来のことを意味しているのでしょうか。
金融商品会計実務指針91に記載がある「期末日後おおむね1年以内」と考えれば良いのでしょうか。
②「その価額の回復」とは
 回復とは、どの価額までの回復のことを意味しているのでしょうか。
評価減前の帳簿価額のことと理解して良いでしょうか。
※参考:金融商品会計実務指針91(抜粋)
 時価の下落について「回復する見込みがある」と認められるときとは、株式の場合、時価の下落が一時的なものであり、期末日後おおむね1年以内に時価が取得原価にほぼ近い水準まで回復する見込みのあることを合理的な根拠をもって予測できる場合をいう。
③「近い将来その価額の回復が見込まれないこと」の具体的な判断方法
 法人税基本通達9-1-7の逐条解説や「上場有価証券の評価損に関するQ&A」に具体的な判断方法が記載されてはいますが、専門性を有する第三者(証券アナリストなど)の意見書等を甲社が入手するのは難しいと考えます。
 一方、「有価証券報告書」や「決算短信」、終値の推移、チャートの入手は容易です。これらの情報を総合勘案して判断すれば良いでしょうか。(H8.6.25の裁決事例と同様の判断となる可能性はありますか。)
 なお、評価損を計上しようとしている銘柄の中には、月末終値が以下のように推移している株もあります。
? ・~2017年7月 帳簿価額の5割程度
? ・2017年8月~2018年12月 帳簿価額の6割程度
? ・2019年1月~ 帳簿価額の5割程度

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(回答全文の文字数:1042文字)