借入金の返済資金の贈与について

※ 事例の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[質問]
 現在、相続税の申告書を作成していますが、1点、過去の贈与について検討をしています。
(前提)
〇 平成30年12月に亡くなった、被相続人甲の相続税の申告書を作成しています。
〇 少し悩んでいる預金履歴があり、それは、被相続人甲(父)の相続人である子Aが居住している家屋(平成9年築)の建築に際し、借入をしたのですが、債務者は子Aと甲(父)として、連帯債務となっていました。
家屋の登記名義人は子Aの1名のみです。
〇 そして、この家屋の借入の返済状況を確認したところ、返済者は平成9年からずっと甲(父)が行い、そして平成28年に残債600万円となった時点で甲(父)が一括返済していました。
〇 家屋の名義人は子Aであるが、毎年の返済は被相続人である甲(父)が行い、そして、残債600万円を一括して返済している行為は、贈与税の時効とならない6年前から返済額相当の暦年贈与と考えられ、相続開始日前3年内の期間の返済額の贈与については3年内加算をする必要があるのかを迷っています。
〇 私としては、平成7年に家屋名義が子Aとなっており、毎年の返済は銀行と甲(父)との返済が連帯債務者として返済がされているだけであり、この家屋の贈与は平成9年に成立し時効であると考え、子Aは甲(父)から借入をしたという認識も契約もないと考えています。
〇 例えば、夫婦間で家を購入した際に、2分の1の共有名義としたが、返済が夫だけになっていた場合は、借入金の返済額だけを妻への贈与とはせずに、その時に家屋の2分の1相当を妻へ贈与したと税務署は指摘するのと同じではないかと考えています。
〇 子Aは平成9年からずっと居住し、固定資産税の負担や家の補修などは自分で行い、自分が所有者であると認識していることも、実質的に贈与を受けたと子Aは考えていることになると考えています。
(質問)
〇 平成9年に家屋の贈与が実行されていると考えられますか。
〇 それとも、6年前からの毎年の返済額の暦年贈与、そして3年内の相続加算という考え方が税務的に適当若しくは正しい考え方でしょうか。

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 借入金の返済は、誰………
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