多額の損害保険金が入金される場合の株の評価方法

※ 事例の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[質問]
 T社(1月決算)の創業者が所有する株式を発行法人に売却した際の株価算定方法(純資産価額)についての質問です。T社は昨年10月の水害により被害をうけ、今年6月に多額の損害保険金が入金されました。
 時系列は次のとおりです。


令和元年10月 水害の被害を受ける、損害保険金の請求手続きを行う(金額未確定)
令和2年1月末 決算
令和2年2月  創業者の株式を発行法人に売却することを決めた(課税時期)
令和2年5月  損害保険の金額が確定
令和2年6月  保険金が振り込まれた


 財産評価基本通達185によれば、純資産価額は課税時期において仮決算をすることが前提とされていますが、実務的には直前期末から課税時期までの間に資産及び負債について著しく増減がなく評価額の計算に影響が少ないと認められるときは、直前期末の決算金額により評価することが多いと思われます。
 T社の場合は多額の損害保険金が入金されており、原則通り仮決算が必要と考えられます。
 しかし課税時期は令和2年2月であり、損害保険金額が確定し入金されたのは課税時期の後です。
 保険金額確定が課税時期の後ですので、直前決算から課税時期までの間の著しい増減に該当しないことになりますので、直前期末の決算金額によって差し支えないでしょうか。

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1? 自己株式の取得………
(回答全文の文字数:1507文字)