本誌調査 ロシア・ウクライナ情勢、追加情報による対応も一手

2022年3月期は「見積り」への記載めだつ
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いまだ先行き不透明なロシア・ウクライナ情勢。本誌調査では、2022年3月期末決算企業(日本基準を採用)のうち上場110社が有価証券報告書で影響について注記していた。両国で関連事業を営む場合だけでなく、資源価格の上昇などにより見積り等を検討した企業も多い。どのような開示例があったのか振り返る。また、新型コロナウイルス拡大時と同様に、有用な情報と判断できる場合は追加情報として任意開示することが望ましいとの指摘がある。

侵攻開始後の影響

2022年2月24日、ロシアがウクライナへ軍事侵攻を開始し、交戦状態に陥った。ロシア・ウクライナで関連事業を営む企業は撤退、または事業の一時停止の検討を余儀なくされた。ロシアに対して各国は経済制裁を発動。制裁に伴う資源価格の上昇や物流リスクの高まりなど、世界中で大きな影響が広がっている。

国内では開示・監査上の注意喚起が行われた。3月17日には東京証券取引所が「事業環境の変化を踏まえた積極的な情報開示のお願い」を上場各社に通達。ロシア・ウクライナ情勢に起因した経済制裁や原材料価格の高騰を踏まえ、事業環境の変化が事業活動等に及ぼす影響やリスクなどの積極的な情報開示を...