非経常的な利益金額の判定

※ 事例の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[質問]
 取引相場のない株式について類似業種比準方式にて評価する際には、評価会社の非経常的利益を除外することとなっており、評価通達183(2)ではその例示として保険差益が挙げられております。
 一方で非経常的であるかの判断は、評価会社の事業の内容、利益の発生原因、その発生原因たる行為の反復継続性又は臨時偶発性等を考慮した上で、実質的に判断するのが相当であるとのことです。
 A社は卸売業を営む法人ですが、複数の生命保険契約を結んでおり、毎期の保険料の支払いによる経費も多額です。その為、ここ数年は卸売事業から生じる利益が毎年の生命保険料を下回り赤字となるため、保険契約の一部を解約し解約返戻金から生じる保険差益にて赤字を回避することを繰り返しています。
 A社におけるここ数年の生命保険解約は、結果的に毎期反復継続されていますが、生命保険料の支払いがなければ、本業のみで利益は出せており、生命保険契約そのものはA社における事業との関連性は低いものと考えれば、やはりこれら毎期の生命保険解約に伴う保険差益については非経常的利益に該当するとの判断でよいでしょうか。
 また、仮に生命保険の解約について、毎期計画的に返戻率が最高となる時点で解約を繰り返しているというような場合には、経常的利益として判断する余地はあるのでしょうか。それとも、たとえ計画的であったとしても事業との関連の薄い生命保険契約の解約保険差益は、評価通達183(2)の例示のとおり、常に非経常的利益と判断すべきでしょうか。

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〔回答〕 ご照会事例………
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