居住用財産の3,000万円控除の特例における居住用家屋の範囲

※ 事例の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[質問]
<事実関係>
1. 甲は平成23年頃から統合失調症やうつ等の精神疾患から入院中である(現在まで)。
2. この度、令和3年に甲所有の自宅を譲渡した(成年後見人付き) 。
3. 甲の入院期間中、自宅は空き家の状態であった。
<参照法令等>
 いわゆるマイホーム特例(3,000万円特別控除)の適用については、自分が住んでいる家屋・土地を売るか、住まなくなってから3年を経過する日の属する12月 31日までに売る必要があります。そして、措置法31条の3-2において、居住用家屋の範囲が定められています。ここでは、転勤や転地療養等の事情で配偶者等と離れて単身で他に起居している場合でも、その事情が解消すれば自宅での起居となると認められるときには、その者の自宅は居住の用に供している家屋に該当する旨記載があります。
<質問事項>
1. 本件甲は上記事実関係のとおり、自宅の譲渡以前10年程度、自宅を離れ入院治療中ですが、入院期間に関わらず、退院できた場合に自宅に戻るものとされる場合には、令和3年の自宅譲渡について特別控除を適用可能でしょうか(つまり、住まなくなってから3年を経過する日の年末までに譲渡する要件ではなく、入院期間中でも自宅=居住用家屋であるという要件での譲渡)。
2. 上記で療養入院中も自宅を主たる生活の本拠(居住用家屋であり、退院後は戻る)と言うには、入院期間中も継続して「自分が住んでいる」状態にあることが必要だろうと考えますが、電気代や電話代などの基本使用料(入院中は空き家で誰も住んでいないので実際の使用量はほぼ発生しない)の契約・支払状況や、家財等がそのまま残されていた(譲渡に際してはハウスクリーニング業者が処分済み)など、形式・実質の両面で具体的に確認する事項や、留意する事項があるでしょうか。

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1 居住用財産の3,………
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