不動産貸付の事業的規模の判断

※ 事例の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[質問]
 A氏は、自身が院長を務める医療法人に、当該法人が営業する土地建物を賃貸しています。
 具体的な賃貸不動産の内容は以下のとおりです。
・土地:? 11,200㎡
   ??  建物敷地、庭、駐車場スペースを含んでいます。
    ?? 駐車場スペースはアスファルト敷きで凡そ80台駐車が可能です。
    ?? 主に病院従業員用で来客用は10台程度です。
・ 建物(病棟) : 床面積  3,400㎡
・ 建物(ディケア棟): 床面積   110㎡
? 上記不動産を一体として医療法人に賃貸し、賃料収入は年間6,000万円です。A氏は、上記不動産以外に不動産所得を生ずる物件は有しておりません。


質問1)
 不動産所得が事業的規模として認められる場合の形式基準として5棟10室基準がありますが、A氏の場合には、この形式基準を満たすと考えられるでしょうか。


質問2)
 形式基準を満たさない場合は、実質的に事業的規模にあるかを判断することになると思います。その場合には以下の点を総合して、社会通念上事業といい得るか否かによって判断するのが相当との判例があるようです。
 ① 営利性・有償性の有無
 ② 継続性・反復性
 ③ 自己の危険と計算における事業遂行性の有無
 ④ 取引に費やした精神的・肉体的労力の程度
 ⑤ 人的・物的設備の有無
 ⑥ 取引の目的
 ⑦ 事業を営む者の職歴・社会的地位・生活状況など
 A氏の場合、上記①及び②は満たしているとしても、③~⑦については、やはり満たしているとはいえないとなるのでしょうか。
 つまり、A氏の不動産所得については形式的基準を満たさない場合は、事業的規模にあると判断できないとなるのでしょうか。

[専門家からの回答]  ※税理士懇話会が顧問契約している専門家の一覧はこちら

 回答者は、A氏の不………
(回答全文の文字数:605文字)