マイナス金利政策の影響を受ける場合の源泉所得税の考え方

※ 事例の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[質問]
1. 取引概要
台湾に本店のある外国銀行Aの東京支店は、下記銀行口座に資金を預けています。
①台湾に本店のある外国銀行Aのロンドン支店
※つまり、同銀行の他支店への資金の預け入れです。
②ベルギーに本店のある外国銀行B
※外国銀行Bの日本支店は、当該取引に一切関与しておらず、ベルギー本店との取引になります。
  マイナス金利政策の影響により、外国銀行A東京支店は、①外国銀行Aロンドン支店と、②外国銀行Bベルギー本店に資金を預け入れているにもかかわらず、利子の支払いが生じることになります。
具体的には、預金残高がある場合には、毎日利子の計算が行われ、1か月分の合計額が翌月に口座から引き落とされることになります。
2. 照会内容
  外国銀行A東京支店が上記口座に資金を預け入れている場合、「マイナス金利相当額」の利子を支払いますが、この利子の支払いに源泉所得税が課されるか否かご意見いただけますでしょうか。
3. 私見(考えられる源泉所得税の課税関係)
1)外国銀行A(台湾)のロンドン支店との取引
同銀行の東京支店とロンドン支店との取引であり「内部取引」であるため、「マイナス金利相当額」の支払時に源泉徴収は不要と考えております。
2)外国銀行B(ベルギー)との取引?
 「マイナス金利相当額」は、マイナス金利政策の影響により発生している事象であり、資金の受入れに伴う利子ではないため、所得税法(所法161①八)および日本・ベルギー租税条約(日白§11.5)上の「利子の定義」には含まれないと考えられるため、源泉徴収不要と考えています。
 仮に利子の定義に合致する場合には、債務者主義に所得源泉地が置き換えられるため、国内源泉所得に該当するものと考えております(日白§11.7)。

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1 所得税法の規定 ………
(回答全文の文字数:1503文字)