ストックオプションの行使と課税関係

※ 事例の内容は回答年月日時点の情報に基づくものです

[質問]
【前提】
 対象会社(A社)の株主はその発行済株式の100%をB社に譲渡し、B社の100%子会社化を予定しています。
 A社は役員及び従業員に対し、ストックオプションを付与しており、当該ストックオプションは税制適格要件を満たしています。
 A社の取締役甲はストックオプション(権利行使価格合計2000万円)を所有している状況です。
 B社への株式譲渡に当たり、取締役甲は事前にストックオプションを税制適格の権利行使限度額である1200万円まで行使し、A社の株式を取得し、B社に譲渡することを想定しています。
 その後取締役会の承認を経て、ストックオプションの譲渡制限を解除し、800万円分のストックオプションをオプションのままB社に譲渡します。これら一連の取引は同一年に行われます。
【確認事項】
 上記前提で、甲はストックオプションを1200万円分行使し、株式を取得したのちB社に譲渡し、残りのストックオプションをB社に買い取ってもらった場合、行使した株式の譲渡益については税制適格ストックオプションとして譲渡所得、ストックオプションの売却に関しては給与所得と認識してよろしいでしょうか。
【懸念点】
 国税庁の質疑応答事例(被買収会社の従業員に付与されたストックオプションを買収会社が買い取る場合の課税関係)によれば、ストックオプションを買収企業に譲渡するにあたり、取締役会において譲渡制限の解除承認が必要となり、当該解除された日において経済的利益が顕在化するものとして給与所得に該当するとされています。
 譲渡制限が解除された段階で税制適格ストックオプションの要件は満たさないこととなりますが、ストックオプションの行使及び株式の譲渡の段階において譲渡制限が解除されていなかった場合には税制適格要件を満たすものとしてよいものか、もしくは同年中に譲渡制限が解除されるためすべて税制非適格として給与課税の対象とされてしまうのかという点を確認させていただければと思います。

[専門家からの回答]  ※税理士懇話会が顧問契約している専門家の一覧はこちら

1 法令等の規定 所………
(回答全文の文字数:1633文字)