非営利型一般社団法人の理事会出席報酬について 

※ 事例の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[質問]
【前提条件】
 収益事業のみ営んでいる税務上の非営利徹底型一般社団法人において、理事会等の会合の実施の都度、定期給与を支給していない役員等(代表理事、監事含む。いわゆる非常勤役員。社員との兼任はなし)に対して出席1回あたり1万円~3万円(源泉控除後)を金銭で支給している。
 1事業年度当たりの支払回数は理事によって異なり、多い理事では年6回、少ない理事では年間を通して支給しない場合もある。
 理事は6名で、非営利要件を満たすため親族関係者は3分の1となっている。
 一方、社員は2名でいずれも理事との兼任であり、この2名は親族関係者である。


【質問事項】
 定期給与を支給しない役員等に対し会合等の出席の都度支給する金額は法人税法上損金算入が認められるか。


【弊所見解】
 法人税上、①定期同額給与、②事前確定届出給与、③業績連動給与のいずれにも該当しないものの額は、損金の額に算入しないこととなっています(法法34①)。
 非常勤役員に対する報酬(日当)が損金算入される場合、②事前届出給与に該当するか否かの検討が必要になると考えます。
 法人税34条1項2号イでは、非同族会社が定期給与を支給しない役員に対して金銭で支給するものは事前の届出が不要と規定されています。
 一般社団法人は法人税法上の同族会社(法法2⑩)に該当しないことから、非常勤役員に対して会合等に出席の都度支給される報酬は事前の届出をすることなく損金算入が可能と考えます。
 原則としては上記のように認識していますが、法法34条2項には「所定の時期に」との記載があること (本件では会合出席の都度給しており、毎期特定の時期に支給しているわけではありません)、及び一般社団法人を実質的に支配している社員が同族関係者であることから同族会社とみなされるなど、損金算入が否認される可能性がどの程度あるかご見解を頂きたく質問をさせて頂きました。
なお、非常勤役員への日当は謝礼の意味が大きく(年額で合計100万円~200万円程)、お手盛りによる利益調整の意図はありません。

[専門家からの回答]  ※税理士懇話会が顧問契約している専門家の一覧はこちら

 ご照会の件につきま………
(回答全文の文字数:1515文字)