連結加入法人の欠損金の繰戻し還付~コロナ禍関連~

※ 事例の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[質問]
①法人:甲(自動車販売業、3月決算、資本金151百万円、2020.3月期では新型コロナウイルス感染症が業績に与える影響はありません)
②甲の株主構成:上場会社A(資本金720億円、グループで連結納税制度を適用しています。)が93.4%、非上場会社B(資本金5,000万円、Bの株主構成:A99.7%、第三者個人0.3%)が6.6%
③2020.4.1にAがBより甲の株式6.6%を取得し、Aの完全子会社となるため、2020.3月期は連結納税制度加入前の最後の事業年度となります。
④2020.3月期の所得金額:マイナス119百万円。欠損金の発生理由は、連結納税制度加入前の最後の事業年度のため、甲の資産の時価評価を行う必要があり、評価替えにより土地建物の含み損が実現化され、多額の欠損金が生じました。(評価損は別表上での調整)時価は不動産鑑定士の評価に基づいています。
⑤2019.3月期の所得金額:446百万円
⑥新型コロナ税特法により、資本金1億円超の法人も繰戻し還付請求の適用が可能となり、2020.3月期は大規模法人の100%子会社等には該当していません。また、2020.6.29に法人税の申告書(延長法人のため3ヶ月以内に提出)を提出しているため、繰戻還付請求書の提出期限は2020.7.31までと思われます。
(ご質問)
 今回この制度を利用し、甲は青色欠損金の繰戻還付請求を行いたいと考えています。
 ただ、新型コロナ税特法の趣旨は、「新型コロナウイルス感染症及びその蔓延防止のための措置が納税者に及ぼす影響の緩和を図るため」とあり、コロナの影響とは全く関係のない連結加入前の時価評価により発生した欠損金を、しかもたまたまこのような法律が制定されたので利用することに不安があります。
 制度趣旨とは違う理由での還付請求となりますが問題ありますか。

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 ご承知のように、青………
(回答全文の文字数:950文字)