貸倒損失~破産廃止決定があった場合

※ 事例の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[質問]
 当社は建築資材の卸売業を営んでいる3月決算法人ですが、債権回収が滞っている取引先があります。
 その取引先A社は、平成25年10月に破産手続きを開始したので、当社は平成26年3月決算で、A社の売掛金債権に対し「法令第96条第1項第3号」に基づき、個別評価による貸倒引当金を設定しました。
 当社としては、その後、破産手続きが終結した場合には、破産管財人又は裁判所から何らかの通知があるものと考えていましたが、これまで何の連絡もありませんでした。
 このたび、A社の登記簿謄本をとってみたところ、平成27年2月に破産手続廃止の決定がされていたことがわかりました。
 当社としては、現時点(令和3年12月)で破産手続きの廃止決定があったことを知ることになり、この段階でA社に対する債権が回収可能かどうか検討してみたところ、その全額が回収できないことが明らかになったと判断するに至ったということです。
 この問題に対する当社の意思表示を明らかにするために、今期決算期末までに当該事案について取締役会で決議することにしています。
 会計処理としては、今期の決算時に現在設定中の個別評価貸倒引当金を取り崩し、「法人税基本通達9-6-2」の規定に基づいて、A社に対する売掛金債権の全額を、貸倒損失として"損金経理"するつもりです。
 「債権の金額が全額回収不能となったことが明らかになった」のは破産手続きの廃止が決定されたときなのだから、今期で貸倒損失を計上したとしても、所得金額の計算上否認(流出)されることになるということになるのか危惧しています。

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