非同族株主から自己株式を取得した場合における既存株主への課税

※ 事例の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[質問]
 次の資本関係にあるA社がB社の株式を譲り受ける予定です。


A Aの代表取締役社長甲が80%所有、その他第三者が20%所有
B 甲の姉が30%、甲の姉の夫が59%、B社の従業員乙が11%


 Bの額面 500円/株
 Bの配当還元方式の株価 250円/株
 Bの時価純資産価額 10,000円/株
 Bの株式譲渡価額  30,000円/株


 B社株式の株式譲渡に先立って、B社は従業員乙から自己株式を取得する予定です。
 従業員乙はいわゆる額面でB社の株式を取得しています。Bが行う自己株式取得はいわゆる額面での売買を予定していますが、この時に他の株主(甲の姉及び姉の夫)にみなし贈与が生じることはありますか。乙が少数株主であることから配当還元方式で計算した価格(無配のため額面の1/2)より高い価格での売買となりますが、一株当たり時価純資産よりは低い価格となり、自己株式取得後の一株当たり時価純資産は増加します。
 また、自己株式取得後には甲の姉及び姉の夫が持つBの株式をA社に売却します。
 株式売買価格は時価純資産価額を上回る価格を想定しています。
 B社は自己株式を額面で取得していますので、この時点で既存株主には一株当たりの株価上昇の経済的利益が生じていますが、既存株主にみなし贈与などの課税関係は生じないという理解で宜しいでしょうか。
 既存株主はその後直ぐに株式を売却しており、自己株式取得による株価増加分も含めて、経済的利益が実現し、譲渡益として課税されていますので、課税上の弊害はないと考えることはできますか。

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1 事実関係 A社(………
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