無申告にしたが後日預金があることが判明したことにより申告義務が生じ期限後申告する場合の小規模宅地等の特例適用についてなど

※ 事例の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[質問]
 被相続人甲(令和2年5月死亡)の法定相続人は、配偶者乙及び子の丙、丁、戊の4名であるところ、丁及び戊は裁判所へ相続放棄の手続を行ったため、乙及び丙が相続人である。
 相続税の申告期限内に、乙及び丙により遺産の全てを丙が相続する旨の遺産分割協議が成立した。
 甲の遺産額(措置法69条の4の小規模宅地等の特例(以下「本特例」という。)適用前)は、遺族から入手した資料に基づくと相続税の基礎控除金額に満たないものとなっているが、甲の金庫から丁名義の預金通帳(残額2,000万円)が把握され、この預金を加えると甲の遺産額(本特例適用前)は相続税の基礎控除金額を超え、申告義務があることとなる。
 丁名義預金について、遺族は、名義どおり丁の預金であり、甲の遺産ではないと申し立てたことなどから、丁名義の預金以外の遺産額では相続税の申告義務はないということで申告書は提出しないこととなった。
 上記の相続税について、仮に、後日税務署の調査により丁名義の預金が甲の遺産であると認定され、遺産額が基礎控除金額を超え期限後申告する場合において、遺産に特定居住用宅地等(措置法69の4③二)に該当する宅地があるときは本特例を適用することはできるか(適用後は納付税額ゼロとなる。)。
 また、丁名義の預金については、上記預金通帳は丁へ渡され、丁は、その預金から自分の子へ贈与しているところ、仮に、税務署の調査で同預金が甲の遺産であると認定された場合には、遺産分割協議では遺産の全てを丙が相続することとされているため、丁名義預金は、先ず、丙が相続し、その後丙から丁へ贈与されたものとして、丁は贈与税の納付義務があるか。

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1 本特例の適用 ご………
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