特定遺贈の承認後に目的物を取得しなかった場合の課税関係

※ 事例の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[質問]
 被相続人甲(令和2年3月12日相続開始)の法定相続人は兄弟3人です。
 甲は遺言公正証書を作成しており、そこには友人乙に特定遺贈する旨が記載されています。
 乙から相続税の申告を依頼されており、兄弟3名はほかの税理士に依頼しているようです。
 乙は弁護士を代理人として、記載されている財産につき遺贈を受けるものと放棄するものを記載した通知書を作成し、法定相続人3名に送付しました。
 その後遺贈を受けた不動産の相続登記をしましたが、A土地について公道に面している土地であると思っていたところが、公道ではなく私道(甲が持分3分の2所有、遺言書に記載なし)に面していることが判明しました。A土地は無道路地となり利用することができないため「特定遺贈の承認は誤ったものであり錯誤を原因として遺贈による所有権移転登記の抹消の申請」を行い、名義を戻しました。したがって、乙が取得しなかった不動産と同様に兄弟3名が遺産分割協議により取得者を決めることになります。
 民法989条では遺贈の承認及び放棄は、撤回することができないと規定されています。
 相続税の申告においては、A土地は乙が取得したものとして計算し、乙から新たな取得者に対する贈与になるのでしょうか。それとも乙が取得した相続財産から除外してもいいのでしょうか。

[専門家からの回答]  ※税理士懇話会が顧問契約している専門家の一覧はこちら

 ご質問の事例は、被………
(回答全文の文字数:1903文字)