負担付特定遺贈において負担部分が相続財産評価額を超過している場合

※ 事例の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[質問]
 被相続人甲(90歳)の相続が令和3年1月に開始しました。相続人は、乙(子)のみです。甲の配偶者は既に物故しています。
 甲の遺言公正証書には、丙(乙の子)に対しての遺贈も記されています。甲と丙は、養子縁組をしていません。
 遺言公正証書の内容は次のとおりです。
1. 丙に対する特定遺贈
 Ⅹマンション(相続税法価額3,000万円)を銀行ローン(残債務額4,000万円)とともにすべて遺贈する。
2. 乙及び丙に対する包括遺贈の内容
 次の財産及び債務を乙及び丙に各2分の1を相続させる。
イ 預貯金(残高2億円)・・・乙及び丙が各1億円を取得
ロ 遺言公正証書作成後に購入取得したYマンション(賃貸用。相続税評価額2,500万円、銀行ローン残債務3,000万円。)を乙及び丙が各2分の1取得することにした。
 質問です。
1. 丙が取得したⅩマンション(相続税評価額3,000万円。銀行ローン4,000万円)は、負担付の特定遺贈であるため、相続財産とされる価額は債務超過のため零円となります(相続税法基本通達11の2-7)。その債務超過部分の1,000万円の銀行ローンは、債務控除ができない、つまり切り捨てになるのでしょうか。
2. 丙は、Ⅹマンションの特定遺贈を受けているのであるから、包括遺贈で取得したYマンション(相続税評価額2,500万円。銀行ローン3,000万円)の2分の1の債務1,500万円は、債務控除できないことになるのでしょうか。
 それとも、Yマンションは包括遺贈であるから、Yマンションのローンの2分の1は全額債務控除ができるのでしょうか。
 また、特定遺贈で切り捨てとなるローン1,000万円は、包括遺贈の財産から控除できることになるのでしょうか。

[専門家からの回答]  ※税理士懇話会が顧問契約している専門家の一覧はこちら

1. 負担付特定遺贈………
(回答全文の文字数:1150文字)