被相続人の入院及び老人ホーム入居中に親族の居住の用に供されていた土地等の小規模宅地等の特例の適用

※ 事例の内容は回答年月日時点の情報に基づくものです

[質問]

 下記の事実関係を前提とする場合、長男が母の相続で取得した自宅敷地持分2/3は特定居住用宅地等に該当するものとして小規模宅地等の特例の適用は可能でしょうか。

 長男が自宅に転居した時点で母は病院に入院中であり、入院中の母の生活の本拠は自宅しかなかったと考えれば、長男は2020年2月29日から2020年4月22日の期間について「被相続人の居住の用に供されていた建物に居住していた親族」に該当するのではないかと考えています。

 

<事実関係>

1.被相続人 母 

  相続開始日 2022年5月18日 

2.相続人2名 長男(独身)、長女

3.被相続人の状況

(1)2019年4月25日まで夫と二人で自宅にて生活。同日午後、脳出血を発症し、病院に入院し、リハビリ病院も含め3つの病院の入退院を繰り返しました。

(2)2020年4月22日に最後の病院を退院しましたが、自宅に戻ることなく介護付優良老人ホームに入所。2022年5月18日に老人ホームにて亡くなりました。

(3)夫は2019年10月24日に死亡しており、夫の相続の際に、母2/3、長男1/3の割合で自宅土地建物を相続取得しています。

4.長男の状況

(1)2016年7月より転勤で福島県白河に居住。長男は独身で会社寮にて一人暮らし。

(2)2020年3月1日付で、勤務先の人事発令により東京への転勤が決定。

 アパートを賃借して(かつ生活用品を新規に一揃えして)転勤後の生活を始めることは、コスト面から全く考えておらず、2020年2月29日に自宅に転居しました。この時、母は病院に入院中でした。

(3)長男の自宅への転居は会社の辞令がもとであり、小規模宅地特例を受けることを目的として自宅に転居したわけではありません。

(4)母の相続で長男は自宅土地建物の2/3を取得、申告期限まで居住継続の見込みです。

 

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