配偶者に対する相続税額の軽減と小規模宅地等の特例に係る更正の請求の取扱い

※ 事例の内容は回答年月日時点の情報に基づくものです

[質問]
 このたび相続が発生し、申告期限までに申告書が提出されたのですが、その際、配偶者に対する税額軽減及び小規模宅地等の特例について、そのいずれも適用をせずに申告を行っていました。
 この場合の更正の請求について、私見では下記のとおりに認識しているのですが、この認識で間違いないかご意見をお願いします。
・配偶者に対する税額軽減について
配偶者に対する税額軽減については、相続税法第19 条の2-3 において
~以下条文~
 第一項の規定は、第二十七条の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書及びこれらの申告書に係る修正申告書を含む。第五項において同じ。)又は国税通則法第二十三条第三項(更正の請求)に規定する更正請求書に、第一項の規定の適用を受ける旨及び同項各号に掲げる金額の計算に関する明細の記載をした書類その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
~以上~
とあり、申告書の中に「国税通則法第二十三条第三項(更正の請求)に規定する更正請求書」が含まれているため、当初申告で適用をしていなかった場合であっても、更正の請求が可能。
・小規模宅地等の特例
小規模宅地等の特例については措置法69 条-4-7 には、
~以下条文~
第一項の規定は、同項の規定の適用を受けようとする者の当該相続又は遺贈に係る相続税法第二十七条又は第二十九条の規定による申告書(これらの申告書に係る期限後申告書及びこれらの申告書に係る修正申告書を含む。次項において「相続税の申告書」という。)に第一項の規定の適用を受けようとする旨を記載し、同項の規定による計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。
~以上~
とあり、申告書の中に更正の請求書が含まれていないため、当初申告にて適用をしていなかった場合、更正の請求において適用は不可。
 なお、この度の申告については未分割申告ではないことを前提といたします。

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1 配偶者に対………

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